痛い魚の目の治し方~症状に合わせた適切なフットケアと予防

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厄介な足のトラブル「魚の目(うおのめ)」。男女問わずできるものですが、特にファッション性を重視した靴を履くことの多い女性のほうが魚の目ができやすいと言われています。
魚の目は放っておくと悪化して歩行時などに痛みをともなうため、早めの対処が必要です。
今回は魚の目ができる原因と治療法、予防の仕方についてお伝えいたします。

魚の目とは

魚の目は、足裏や足の指の皮膚(角質)が部分的に厚くなることでできる皮膚病のひとつ。正式には「鶏眼(けいがん)」と言います。
靴や歩き方の癖などで皮膚が圧迫や摩擦などの外的刺激を受けると、防御反応により角質は厚くなります。その時、刺激が1点に集中することで角質は皮膚の内側(真皮)に向かって増殖し、中心に硬い芯(角質柱)を作ります。角質化の面積は小さく、健康な皮膚との境界もはっきりしており、芯が魚の眼球のように見える形状になることから、一般的に「魚の目」と呼ばれるようになりました。
魚の目は放置していると悪化し、芯が成長して皮膚の奥深く、真皮にまで食い込み始めます。そうすると芯が神経を圧迫して刺激するため痛みを感じるようになり、ひどくなると歩行が困難になるほどの激痛をともなうこともあります。

魚の目の種類

大きさや芯の深さ、痛みの有無など、魚の目には色々なタイプがありますが、状態により主に3種類に分けられます。

硬性鶏眼

もっとも多いタイプの魚の目。硬く乾いており、削ると中央に芯があります。できる場所によって痛みが変わり、神経や血管を圧迫すると激痛をともなうようになります。

軟性鶏眼

足の指の間にできる魚の目。窮屈な靴を履くなどして指同士が圧迫されることによりできます。通常の魚の目は硬化性ですが、指の間は湿っているため軟化性の魚の目と言われています。

粒状鶏眼

周囲の角質増殖がほとんどない、小さな芯のみの魚の目。足裏やかかとにできます。

魚の目ができやすい場所と原因

魚の目は圧迫、摩擦による刺激が多く、角質が厚くなりやすい場所にできます。タコになるか魚の目になるかは刺激の受け方によって変わり、魚の目の場合は痛みがあるため、刺激が集中している箇所があるという方は注意が必要です。

足裏の中央

「ヒールダコ」と言われるタコができやすく、ヒールをよく履く方、開帳足の方は、刺激が一点に集中することで魚の目ができやすい場所です。

親指のつけ根

小さめの靴を履く方、歩き癖のある方に魚の目ができやすい場所です。

小指のつけ根

O脚、ガニ股、外反母趾の方に多く、魚の目ができるとかなり痛みをともなう場合があります。

親指の横

親指の横は角質が厚くなりやすく、特に外反母趾の方は魚の目ができやすい場所です。

小指の横

正方形の足や開帳足の方、先の細い靴やヒールの高い靴を履く方が魚の目を作りやすい場所。痛みが出やすい場所でもあります。

指の間

靴幅の狭い靴の圧迫により、それぞれの指が刺激を受け、魚の目となります。痛みをともないやすい場所です。

かかと

かかとは特に角質が厚くなりやすい部分ですが、外的刺激が集中することで、芯のみの魚の目ができやすい場所です。

魚の目とよく似た皮膚疾患

魚の目と間違えやすい皮膚疾患に、タコとイボがあります。

魚の目とタコの違い

魚の目と同じように、タコも角質の増殖、硬化によりできる皮膚病。ですが、タコの場合は角質が皮膚の外側(表面)に増殖して厚くなっていき、芯がなく、痛みを感じることもあまりありません。

魚の目と間違えやすいウイルス性イボ

魚の目とよく似た皮膚病にイボがあります。色々な種類がありますが、足にできやすいのは「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」や「ミルメシア」など。ウイルス性なので他の部位に広がったり、他人に感染する可能性があるので、医療機関での診断・治療が必要です。

魚の目ができる原因

魚の目ができる原因は、足に合わない靴を履くことによる外的刺激がほとんどです。

直接的な要因

  • 足に合わない靴、ハイヒールなど先端の細い靴や足幅の狭い靴を履き続けている
  • 足裏の横アーチがない開張足による、足裏へのダイレクトな衝撃
  • 歩き方の癖などによる、歩行時の加重バランスの偏り
  • 姿勢の悪さなどによる足裏への重心の偏り

間接的な要因

  • 冷え性などによる足の冷え、血行不良
  • 新陳代謝の低下、ターンオーバーの乱れ

魚の目を治すには

魚の目は、大きさ、深さ、硬さ、形、周囲の皮膚の状態、痛みの有無などによって対処法が異なります。深部にある芯まで除去しないと完治はせず、再発するので、まずは専門知識のあるフットケアサロンや皮膚科などの医療機関を受診し、状態を見極めてもらうことが大切です。そして魚の目の状態に合わせた処置を行い、芯を除去します。

皮膚科など医療機関での治療

皮膚科では軽度から重度の魚の目の治療が可能です。魚の目の大きさや深さを調べ、状態に合わせていくつかの治療法が行われます。魚の目の芯が深く痛みがある場合や、真皮からの出血が考えられる黒い芯の魚の目の場合は早急な治療が必要です。

スピール膏、カミソリなどで芯を除去する処置

一般的に行われている治療です。魚の目が大きく芯が深い場合は一度では除去できないため、何度か繰り返す場合があります。

メスでの外科手術による除去

患部に局所麻酔をしてメスで切開し、芯を取り除く方法です。大きさと深さのある重度の魚の目に対して行います。

レーザー治療による除去

重度の魚の目や周辺の皮膚が腫れたり化膿している場合などに行う治療です。患部に局所麻酔をし、炭酸ガスレーザーなどのレーザーを用いて魚の目の芯だけを焼き切ります。保険適用外なので治療費が高額になることがあります。

冷凍凝固療法

液体窒素で皮膚を凍結、壊死させることにより魚の目を除去する方法です。複数回の通院が必要で、痛みをともなうこともあります。

フットケアサロンでの施術

比較的軽度の魚の目の場合は、フットケアサロンでも魚の目の除去が可能です。フットバスで足裏の皮膚を柔らかくしてから、フットケア専用機器を使って硬くなった角質層を削ります。角質化した皮膚は神経や血管などが通っていないので痛みを感じることなく魚の目の除去ができ、大きさ、深さによりますが、約3~5分程度で魚の目の芯を削ることができます。

市販薬を使った自己処置

魚の目は処置が難しく悪化する恐れがあるため、セルフケアによってむやみに刺激を与えないことが大切ですが、芯が浅く痛みのない軽度の場合は、角質を柔らかくする作用のあるサリチル酸配合の市販薬(一般的な治療薬のスピール膏など)で2~3日かけて魚の目の角質を柔らかくして除去する方法があります。液体タイプや絆創膏タイプのものがあるので、使いやすい物を選ぶと良いでしょう。
ただし、芯が深い場合は除去が難しく、魚の目の再発や悪化のリスクがあります。また、薬の使い過ぎによって周囲の健康な皮膚まで除去してしまう可能性もあるので、使用については十分な注意が必要です。

自己処置での大きな注意点は、カッターやカミソリ、はさみ、爪切り、ピンセットなどを使って魚の目を除去しようとしないこと。このような処置は無駄に刺激を与えるだけで、悪化の原因にもなり逆効果なのでやめましょう。

 

魚の目の改善には

できてしまった魚の目は、定期的に角質ケアを行うことで徐々に改善されていきます。おすすめは、角質ケアと血行促進が同時に行える「足洗い」。足は心臓から遠いところにあるため血行が滞りがちで老廃物が溜まりやすい場所。お風呂に入った時に足裏、足指をマッサージするように洗えば、血行、老廃物の排出を促し、ターンオーバーを調えると同時に、足を洗うことで蓄積された不要な角質を少しずつ除去することができます。

 

足専用の石鹸などありますので、そういうものを使うと効果的です。

その後、フットクリームを塗ってしっかりと保湿をすれば、重度の魚の目なら悪化を防ぎ、痛みが出る前の軽度の魚の目なら、徐々に芯を小さく浅くすることも可能です。

魚の目を予防するためには

魚の目ができないよう予防するには、足の保護が一番大切。魚の目を除去しても、その後、同じように日常生活を送っていると、同じ場所にまた魚の目ができてしまいます。繰り返さないためには、魚の目の原因を根本から改善する必要があります。特に女性は足に合っていない靴、クッション性のない靴での歩きすぎといった足の酷使が原因で魚の目をつくっていることがほとんど。ですので、まずは局所的な刺激を避けるようにすることが大切です。

  • 足のサイズに合った靴、足にフィットする靴を履く
  • ハイヒールや先の細いパンプス、サンダルなど、爪先が圧迫される靴は避ける
  • 底の薄い靴、クッション性のない靴は避ける
  • 衝撃を和らげるインソール(やわらかい中敷き)などを入れる
  • 靴に足用の保護パッド(圧力や刺激を軽減するクッション)を貼る
  • 歩き方、立ち方、普段の姿勢を見直し、重心が偏らないようにする

おわりに

魚の目は芯を除去すれば治りますが、同じ刺激が加わればまた再発してしまうので、根本的な原因まで改善し、再発させないことで初めて完治と言うことができます。症状に合わせた適切な処置とともに、原因の改善と予防、自宅での定期的な角質ケアをしっかりと行い、魚の目、そして不要な角質のないきれいな足裏を目指しましょう。

 

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